まな板に乗った鯉
お父さんは、疑うこともなく、逆らうこともなく、自分の意見も気持ちも伝えることもなく、
静かに黙ってまな板の上に乗った。
本当は沢山ためらっていたはずなのに。。。
黙って言われるがままにまな板に乗った。
そして、さばかれて1年後に死んだ。
まさしくその言葉通りだ。
私に言われるがままに、医者に言われるがままにー。
黙って手術を受けた。
そして命を落とす羽目になった。
そう言っても過言ではない。
何をどのようにどう思おうが、私の心は、その呪文のような台詞から離れられない。
日が経つにつれ、苦しみは和らぐはずなのに、一向に和らぐことがないことに益々苦しんでいく。
そして、同じ言葉が連呼する。
何も疑わず私の言いなりになり命を落としたー、と。
誰に何を言われようが慰められようが、この呪文のような台詞から開放されることはない。
あまりにも静かすぎた。
一言も言わず黙って手術台の上に乗って片肺を取られた。
そして、たった1年でこの世から末梢された。
癌は取れば完治のレベルだったのに。
なのになんで死ぬんだよ?
今日は、迎え火の日。
帰ってくるのかな?なんて本当に思えたら救われるし少しは心も和む。
生きてる人間の慰めにしか過ぎないと思っている私には何の救いようもない。
もう、会えない。
二度と。
この言葉がどれほど心を滅多刺しにし、ボロボロになっていっているのかー。
辛すぎるー。
私は乗り越えられない。
父の死を。。。