写真
無性に寂しくなる。
急に思い出したように。
頭が変になるくらい。
そんなとき、入院中に撮った写メを見てしまう。
見ると途端に涙が溢れだす。
声をあげて泣いてしまう。
このときは、まだ存在した。
このときは、まだ居たのだ。
なのに今は居ない。
どこをどう探してみても居ないのだ。
この風景がまるで昨日のように思えるのに
この世に存在しない。
その現実が信じられなく、もがき苦しむ。
写メの中の父。
この人間が存在していたのに。
なぜ今は、どこを探しても居ないのだ?
トイレへ手を繋いで行く後ろ姿を妹が撮していた。
確かに手を繋いでた。
浮腫の手が。。。
私の手をしっかり握って。。。
あの感触、あの温もりが。。。
父の姿、声も何もかも昨日のように焼き付いている。
なのに居ないんだ。
写メを見ると生きてるように思うのに。
でも、もう居ないんだ。
この現実にどれ程胸をくりぬかれる思いをし、引き裂かれる思いをし。
気が狂いそうなくらいの強烈な悲しみ、寂しさ。
見ない方がいいんだろうなー。写真。
いない現実を突きつけられ、気が狂いそうな気分になるのに。
でも、見たいんだよ。
写真でもいいから会いたいんだよ。
でも、居なくなったという現実に気が狂いそうになるんだよ!
家族四人で最後に写した写真。
ここには、父が写ってる。
でも、もう居ないんだ。
家族がひとり欠けたー。
大切な家族がー。
この現実がどれ程悲しく辛い出来事なのかー。
計り知れない。。。