お父さん
私の仕事が変わると、わざと留守電に「がんばれ!がんばれ!○○ちゃん!がんばれ!がんばれ!○○ちゃん!」て入れててくれたよね。
その生声を消したくなくて留守電に録音されたままにしていた。
何年も。
なのに、訳のわからない営業の留守電に録音を消すとき、間違って全部消しちゃった。
その頃は、まだ父も元気だったが、消してしまったことが残念に思った記憶ががある。
今となったら、その営業の留守電がむかつく!
腹立たしい!
あの時、あんな留守電が入ってなければ今頃、生声が聞けたのに。
お父さん、私また仕事始めたよ。
でも、もう言ってくれないね。
「頑張れよ!」って。
それに、この間の丑の日、恒例の「うなぎ、おごったる!こうておいで!」ってこれも言ってくれないね。
母と寂しくそんな話もついこの間した。
当たり前のように当たり前のことがなくなった時、その当たり前がとても懐かしく愛しく狂おしい。
父を思う気持ちは、薄れることはない。
そして、苦しみも薄れることはない。
死ぬまで続くんだろうなー、こんな思い。