私は誰?
沢山思いを文字にしたいのに。
何をどうやって表現したらいいのかわからない。
心は大きく穴が空いたよう。
頭の脳みそは、溶けてない感じ。
頭のなかも真っ白で。
なのに心臓からは、真っ赤な血が滴り落ちる感じ。
大きく切り裂かれた私の心。
生々しく血を流している。
なのにドクドク鼓動を打って。
私は生きている?
いや、もう死んでいる。
お母さんが死んだとき、私も死んだ。
私は、お母さんの為だけに生まれてきた気がする。
だからお母さんの誕生日に私が産まれた。
そう、私はお母さんの手となり足となり、お母さんが困った時、
いつでもどこでも助けになってー。
お母さんが困らないように私が動く。
云わば私は影武者的な存在だったのか。
そんな気がするんだ。最近特に。
だから振りかえるといつも私はお母さんの側にいた。
心筋梗塞で倒れたときも駆けつけて救急車呼んで。
病院にも毎日見舞いに行って。
通院もリハビリも買い物も役所関係の用事も何もかも。
全部一緒にしてきた。
いつも。
いつも私はお母さんの杖。
お母さんの足。
その時はそんなこと感じても思ってもいなかったけど。
今思えば私はお母さんの補助具的な存在できてたんだって。
それで私は幸せだった。
お母さんが喜ぶ顔、見たくて。
お母さんが笑う顔が見たくて。
お母さんに幸せ感じて欲しくて。
いつもそこに神経を使ってた気がする。
だからもっと楽しませてあげたかったし笑わせてあげたかったよ。
美味しいものも沢山食べさせてあげたかった。もっともっと。
なのにそれはもう叶わなくなった。
お母さんは、真っ暗な闇の中にいてるんだね。
寂しいね。
悲しくない?
私がそんなところへやってしまったんだね。
だから私はお母さんと同じになろうと思う。
お母さんをそんなところへやってしまった罪と。
私が産まれてきた存在価値が終了したことと。
この2つの理由により、私はお母さんと同じ状態になることが1番妥当と考えた。
でも、まだ片付けなければならないことが3つある。
今ここに存在する2人に迷惑をかけれないから。
今月末までに納税をして。
自分の家を片付けて。
そして、お母さんとお父さんをお母さんの部屋に移ってもらって。
叔父の家の遺品整理をして売却手続きをして。
そして最後に妹へ贈る玉手箱を作って。
少しだけゆっくりする。
そして、堪能したらお母さんのところへ向かうよ。
待っててね。って言いたいところだが、現実は居てないんだろうけどね。
でも、お母さんと同じ状態の中に入ることは間違いない。
これで、おあいこだ。
もし、南海トラフがきたら。
イメージしてた。
もし、離れてる日だったら。
お母さんは、とにかく階段を登れるだけ登ってて!と。
私は前もって決めていた階段を駆けつけて登って行くからと。
そして、途中でお母さんが登れなくなって座り込んだら。
そこが津波に飲まれる位置だとしたら。
それでも私は母を置いてはいけないから一緒にそこで津波を待とうとするだろうと。
そう思っていた。
要するに私は母をひとりに出来ないのだ。
いや、私がひとりになれないのか。
どちらにしても、お母さんが暗闇の中にいてるのに、
私だけがここにいて、このまま続ける訳にはいかない気がするのだ。
楽しんだり、美味しいもの食べたり
色んな所へ出掛けたりして。
そんなことしたらダメな気がするんだ。
お母さんを死なせてしまったのにー。
ごめんねと言っても届かない。
いくら泣いてもお母さんは戻ってこない。
どれだけ願ってもあの日に帰れない。
だから。。。
私はお母さんの所へ行こうと思うんだ。