父の遺品
まだ四十九日もすんでないのに、洋服の片付けをしようとする母。
体が不自由でひとりで片付けれない、ごみ捨ても行けないので、
私が居てるときに少しづつ捨てるしかない。
と言うことでこの間も山盛り3袋45リットルのゴミ袋分を捨てた。
その際、母がタンスから出してくる中には、私が父に贈ったダウンのベストや上下もののスウェット生地ではないがよく似た物で上はポロシャツで、下はウエスト、足首ゴムの入ったズボンを買ってあげたものがあった。
ほんのわずか、退院できてた時期があって、通院するのに車椅子で排泄介助が必要だったので、ウエストゴム式の上下物を買ったのだ。
よく、痰もでていて常にティッシュも必要だった為、胸ボケットにその時あげたポケットティッシュも入れたままだった。それを来て通院したのも1回か2回。
それを、母が捨ててと言ったので、「これ、私が買ってあげたやつやん」て言おうとしたら思い出してポロポロ涙がこぼれ落ちた。
そしてその服を形見のひとつとして貰って帰ってきたのだ。
今日、それを見て綺麗なビニール袋に入れて抱きしめるとまた泣けてきた。
病院で最後に写した3月14日に《意識があった最後の写真》写した写真を服の首もとに置き見たときに、また号泣してしまった。
服だけがある。
でも体はどこにもない。
父の衣類を抱きしめては泣いてしまう。
ついこの間まで着ていた服ばかりなのに。
奇妙な毎日に頭がついていけず、変になりそうだ。
この苦しみ、悲しみ、いつになれば治まるのかな?